日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
小さな褐色細胞腫の1例
森本 佳子肌勢 知雅山本 徹立木 美香成瀬 光栄
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2017 年 54 巻 5 号 p. 418-422

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抄録

我々は右副腎原発の小さな褐色細胞腫の,17歳女性例を経験した.発症は当科初診の約1年前であり,症状は5~10分の四肢の震え・痺れ・顔面蒼白,チアノーゼ,動悸,頭痛発作だった.本例は尿中カテコラミン代謝産物値が褐色細胞腫のスクリーニング値及び時に診断基準値を満たさず,またMRI所見上大きさが1.5 cmであるなど診断に迷う点があった.しかし,発作時のカテコラミン値や131MIBGシンチの腫瘍への取り込みなどから褐色細胞腫と臨床診断した.右副腎摘出術により全ての症状は消失し,検査値も正常化した.症状の持続時間が限定的である場合,副腎腫瘍が小さくとも,褐色細胞腫を除外してはならない.

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© 2017 日本小児血液・がん学会
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