日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム8: 笑顔のたねパートII
ディズニー流“家族・いのち・しあわせ”
大住 力
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キーワード: 難病, 社会的健康
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2018 年 55 巻 2 号 p. 136-140

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抄録

私は東京ディズニーランド等を管理・運営するオリエンタルランドに入社し,約20年間,人材育成,運営,マネジメントに携わってきましたが,2010年に退職し,公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」を設立しました.

立ち上げ当時は,子どもたちをミッキーに会わせてあげることしか頭にありませんでしたが,実は誰かに迎えられたり,名前を呼ばれてみんなでお喋りしたり,一緒にご飯を食べる等,社会の一員として当たり前の生活こそが大切だと知りました.現在,当法人は家族と社会とを繋ぎ交流することで,彼らに「社会的健康」を体認してもらい,笑顔と安心感を提供する活動を心がけています.

また,一方的な支援ではなく,家族との交流を通じて得た“家族・いのち・しあわせ”という生の本質について本気で向き合っている考え方や生きざまといった“家族のチカラ”を社会に還元しています.皆さんが自分事として捉え,自らを成長させていく機会として,活動を社会の中で循環させていく.「難病を患う子どもとその家族全員」と「社会」双方向の“架け橋”こそ,当法人が目指すところです.

こうした想いは,まさにディズニーの教えに通じ,中でもこの言葉は私たちの活動の根幹にあります.

“He lives in You.(答えは,あなたの中にある)”

~Walt Disney(ウォルト・ディズニー)~

〈あなた〉が自分自身をみつめ,考え,〈いま〉を生きるために,きっと力をくれるでしょう.

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© 2018 日本小児血液・がん学会
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