2018 年 55 巻 2 号 p. 204-207
重症先天性プロテインC欠損症の電撃性紫斑病は進行が早く,しばしば重症化する.人プロトロンビン複合体製剤であるPPSB®-HTは一部の血友病患者の家庭での補充療法に使用され,比較的多くのプロテインCを含んでいる.
当科では,重症先天性プロテインC欠損症患者2例の電撃性紫斑病に対して乾燥濃縮人活性化プロテインCで治療を行っていたが,治療のために頻回な入院が必要であり,患者・家族にとって大きな負担であった.そのため,家庭でも使用可能なPPSB®-HTに変更したところ,早期に治療介入することで重症化を予防することができた.
PPSB®-HTは重症先天性プロテインC欠損症の電撃性紫斑病の予防と治療に有用と考えられるため,今後血友病の凝固因子製剤補充に準じた保険適用が期待される.