日本小児血液・がん学会雑誌
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パネルディスカッション1: 骨肉腫の治療
若年者骨肉腫肺転移の外科的切除:その意義,手技,成績
北河 徳彦
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2018 年 55 巻 3 号 p. 249-253

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抄録

肺転移は骨肉腫の重要な予後因子である.転移巣の切除が有効な症例もあるが,制御できない症例も経験する.どのような症例に転移巣切除を行うべきかは文献的にも論争が終結していない.我々の適応,手技,成績について概説する.

【手術適応】原発巣が完全切除されており,肺外転移・再発がないことが基本的条件である.個数・大きさによる適応の基準は設けていない.呼吸機能は,術後予想1秒量が標準値の30%以上を一応の目安としている.

【手術手技】術中視触診を重視し,ステープラーによる必要以上の正常肺切除と術後アーチファクトを避けるため,胸腔鏡下手術は行わず,開胸で楔状切除あるいは核出を行っている.

【成績】1983~2016年の期間に当院で初回治療から行った骨肉腫50例のうち,肺転移を伴った28例について解析した.肺外転移・再発のない場合の5年生存率は77%(転移巣手術あり89%,なし60%),肺外転移・再発が出現した場合は27%(転移巣手術あり33%,なし0%)であった.

【考察】骨肉腫の予後は,まず肺転移の有無により大きな差があり,次に肺外転移・再発の出現が大きく予後に影響した.肺外転移・再発のない症例では積極的な手術の方針を否定する根拠はないと考える.しかし多数回手術による癒着剥離等で呼吸機能低下が生じ,手術回数の限界に直面する.この場合に行いうる非手術的な局所療法についても今後検討する必要がある.

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