2024 年 69 巻 1 号 p. 67-76
【目的】コーヒー摂取、カフェイン摂取はパーキンソン病や 2 型糖尿病のリスク低下と関連が認められている。今回、カフェイン摂取に着目し、カフェインを含有する飲料や食品も含めてうつとの関連を調べた疫学研究成果を系統的網羅的に収集した。【方法】文献データベース(PubMed, Scopus)から(caffeine OR coffee OR tea OR coke OR “energy drink” OR chocolate) AND (consumption OR intake) AND ("depressive symptom" OR depression)を用い、観察的疫学研究である英語原著論文を対象とした。タイトルと抄録を読み、本研究対象論文を選んだ。【結果】29 編の論文を選定した。カフェイン摂取との関連を調べた研究 10 編のうち 4 編、コーヒー摂取との関連を調べた研究 12 編のうち 9 編、お茶摂取との関連を調べた 16 編のうち 11 編でうつ症状と負の関連を示した。カフェイン摂取の 1 編、コーヒー摂取の 1 編でうつ症状と正の関連を認めた。エナジードリンク摂取との関連を調べた研究は 2 編で、いずれも青少年を対象とし、正の関連を認めた。チョコレート摂取との関連を調べた研究は 1 編のみであり、うつ症状と負の関連を示した。また、日本人を対象とした研究は 4 編あり、全て横断研究であった。そのうち、2 編は高齢者、1 編はある事業場の従業員を対象とした研究であり、対象集団、年齢層が限定されていた。【結論】カフェインとカフェイン含有飲料のコーヒー、お茶(緑茶、中国茶)がうつ症状のリスク低下と関連することが多くの論文で認められた。しかしながら、未だエビデンスは乏しく、日本人だけでなくグローバルにおいて、さらなるエビデンスの蓄積が必要である。