Journal of Spine Research
Online ISSN : 2435-1563
Print ISSN : 1884-7137
原著
デジタルカメラ撮影によるsagittal vertical axis評価の信頼性とX線との関連性
宮城島 一史石田 和宏東 裕一葉 清規対馬 栄輝柳橋 寧百町 貴彦
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2024 年 15 巻 9 号 p. 1187-1194

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抄録

はじめに:本研究の目的は,非侵襲的であるデジタルカメラ撮影によるSVA(デジカメSVA)の信頼性およびX線との関連性を検証することである.

対象と方法:対象は,健常者6例および脊柱後弯症患者8例である.デジカメSVAは立位にてC7棘突起,両上後腸骨棘の中点にマーカーを装着して撮影した.その後,Image Jを使用してデジカメSVAを算出した.

統計解析は,級内相関係数(ICC),Spearmanの順位相関係数を用いた.

結果:健常者6例でのデジカメSVAの「マーカー装着から撮影」では,ICC(1,1)=0.83~0.84,ICC(2,1)=0.93~0.97であった.また,脊柱後弯症患者8例での「Image Jでの測定」では,ICC(1,1)=0.99,ICC(2,1)=0.99であった.

デジカメSVAと立位全脊柱X線側面像によるSVAの間に中等度の相関を認めた(rs = 0.86~0.90).

結語:デジカメSVA評価は,高い検者内・検者間信頼性があり,X線とも中等度の相関を認めた.簡便かつ非侵襲的であり,頻回に測定可能であることから,経時的変化の追跡や理学療法の効果判定が可能と考える.

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© 2024 Journal of Spine Research編集委員会
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