2026 年 43 巻 2 号 p. 108-113
要旨:症例は61歳,女性。異時性多発肺癌の術後リンパ節再発に対する放射線治療後,放射線肺臓炎に伴う閉塞性肺炎を生じた。気管支内ステント留置の処置中,気管支内に突然の大量出血を生じ,蘇生処置に反応せず急死した。剖検の結果,放射線照射部位近傍の気管支壁に肺アスペルギルス症による膿瘍を認め,膿瘍を介して形成された気管支動脈瘻からの大量出血により死に至っていた。剖検により侵襲性気管支アスペルギルス症の診断と,動脈破綻点を確認できた希少な症例であり,文献的考察を加えて報告する。