Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
原著
オピオイド使用外来患者の乱用・依存に関する適正使用調査
清水 啓二池永 昌之杉田 智子嶽小原 恵數野 智恵子久保田 拓志大越 猛青木 佐知子加村 玲奈今村 拓也
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2016 年 11 巻 2 号 p. 174-181

詳細
抄録
【目的】外来がん患者のオピオイド使用を実態調査し,乱用や依存につながる不適正使用の是正を通して,緩和ケアチームの課題を考察する.【方法】2014年の4カ月間に外来通院中のオピオイド使用がん患者について,緩和ケアチームがカルテ調査した.乱用や依存につながる不適正使用とは「がん疼痛または呼吸困難以外の目的でのオピオイド使用」とした.主治医と協議して不適正使用の判断と是正を図った.【結果】オピオイド使用67人中,乱用や依存につながる不適正使用は5人(7.4%)で,その内訳は,①がん疼痛で開始されたが,治療により責任病変が消失:3人(4.5%),②がん疼痛と考え開始されたが,精査で良性疾患と判明:2人(3%)であった.5人中4人でオピオイドを中止できた.【考察】外来でのオピオイド使用は,乱用や依存につながる不適正使用が見逃される危険がある.常に疼痛の原因を可能な限り明らかにする姿勢が重要であった.
著者関連情報
© 2016日本緩和医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top