Palliative Care Research
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短報
オキシコドン徐放錠を用いたがん性疼痛治療フローチャートの有用性の検討
吉岡 大樹染川 明子桃田 美智福田 富滋余碇 秀樹國崎 忠臣
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2008 年 3 巻 1 号 p. 209-215

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抄録

佐世保中央病院で作成したがん性疼痛治療フローチャート (FC) は, レスキュードーズ処方と悪心・嘔吐, 便秘に対する副作用対策薬の併用のもと, 早期にオキシコドン徐放錠を導入することを基本としている. 本稿では, このFCの有用性を検討した. FC適用患者と非適用患者のタイトレーションの達成率および達成に要した日数を比較した. 対象患者はFC適用群29例, FC非適用群35例で, タイトレーション達成率はFC適用群93.1%, FC非適用群80.0%であり, FC非適用群では悪心・嘔吐により4例が他オピオイドへの変更を要した. タイトレーション達成に要した日数はFC適用群3.8±2.2日, FC非適用群5.3±3.0日であり, 両群間に有意差(p=0.048)が認められた. オキシコドン徐放錠によるオピオイド導入期において, FCを適用することが早期の疼痛コントロール達成に有用であることが示唆された. Palliat Care Res 2008 ; 3 (1) : 209-215

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© 2008 日本緩和医療学会
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