Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
症例報告
悪性消化管閉塞に対する経皮経食道的胃管挿入術の有用性について
荒金 英樹下村 雅律稲田 聡片野 智子安井 仁閑 啓太郎清水 正啓
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2008 年 3 巻 2 号 p. 335-342

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抄録

われわれは, 経皮経食道的胃管挿入術により悪性消化管閉塞患者の症状コントロールを試みているので報告する. 悪性消化管閉塞患者6名に対して, 経皮経食道的胃管挿入術を施行した. 腸管減圧目的にイレウス管を3例, 栄養補給目的に専用栄養チューブを1例, 腸管減圧と栄養補給の双方を目的にW-EDチューブを2例に留置した. 留置期間は24~460日(中央値52日), 栄養補給目的で設置した3例は, 全例で在宅療養が可能となった. 消化管閉塞に対して設置した5例中4例で十分な減圧と症状コントロールが得られたが, 1例で挿入部からの消化液流出により中止, 2例でチューブの閉塞から交換を要した. 経鼻チューブ留置に伴う不快感は全例で大幅に軽減した. 経鼻カテーテルの長期留置を必要とする患者にとって経皮経食道的胃管挿入術は留置後の苦痛が少なく, 有用な方法であった. 各種チューブの留置が可能なことは, 症例に応じた応用性に富む方法と考えられた. Palliat Care Res 2008; 3(2): 335-342

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© 2008 日本緩和医療学会
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