Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
短報
緩和ケアチームが求める心理士の役割に関する研究─フォーカスグループインタビューを用いて
岩満 優美平井 啓大庭 章塩崎 麻里子浅井 真理子尾形 明子笹原 朋代岡崎 賀美木澤 義之
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2009 年 4 巻 2 号 p. 228-234

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抄録

本研究では, がん診療連携拠点病院を中心とした緩和ケアチームで一定の活動経験のある7名の医師および看護師を対象に, フォーカスグループインタビューを実施し, 緩和ケアチームが心理士に求める役割について検討した. インタビュー内容の質的分析の結果, 緩和ケア領域に携わる心理士が役割を果たすために必要な知識として, 第1に, 基本的ならびに専門的な心理学的知識とスキルが挙げられた. 第2に, がんに関する全般的ならびに精神医学的知識が挙げられた. その他に, 他職種の役割と医療システムに関する知識が求められており, 医療者への心理的支援を望む声も認められた. 以上より, 本研究で明らかにされた心理士に求める役割とは, がん医療に関する幅広い知識をもとに他職種と十分にコミュニケーションをとりながら, 心理学的な専門性を活かして, 患者・家族, および医療者に心理的支援を行うことであった. Palliat Care Res 2009; 4(2): 228-234

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© 2009 日本緩和医療学会
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