2022 年 47 巻 1 号 p. 47-51
15歳男性.けいれんを主訴に搬送されくも膜下出血を認め,MRIでは片側もやもや病の所見であった.出血型小児もやもや病はまれであり,中でもくも膜下出血で発症するものは非常にまれである.患者は溶連菌感染後糸球体腎炎で抗生剤加療中であったため感染性動脈瘤も鑑別に挙がった.両者の病態を想定しつつ治療を行い,最終的に小児出血発症もやもや病と診断した.小児におけるくも膜下出血で発症するもやもや病は非常にまれではあるが経験しうる病態であり,背景に感染がある場合,両者の病態を考慮しつつ治療を行うことが肝要である.