主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム:周産期の炎症と感染〜長期予後改善を目指して〜
回次: 33
開催地: 静県岡
開催日: 2015/01/23 - 2015/01/24
p. 99-104
自然早産の多くは絨毛膜羊膜炎(chorioamnionitis:CAM)に起因する。CAMが誘発する胎児炎症反応が重症化すると高サイトカイン血症による多臓器障害が生じることから,FIRS(fetal inflammatory response syndrome)という疾患概念が提唱されている1,2)。
本症候群は臍帯血中IL-6(Um IL-6)をはじめとした炎症性サイトカインの上昇もしくは組織学的臍帯炎の存在によって診断され,新生児合併症のみならず脳性麻痺をはじめとした神経学的障害との関連が指摘されている。
一方で,これを回避するための早期娩出は児の未熟性に起因した合併症を生じ得ることから,その有用性については議論がある。そこでFIRSの重症度が児の短期的・長期的予後に与える影響について評価し,至適分娩時期について検討を行った。