周産期学シンポジウム抄録集
Online ISSN : 2759-033X
Print ISSN : 1342-0526
第33回
会議情報

シンポジウム午後の部:絨毛膜羊膜炎と長期予後
Fetal inflammatory response syndrome(FIRS)が早産児の新生児合併症および神経発達に与える影響について
須波 玲
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 99-104

詳細
抄録

 自然早産の多くは絨毛膜羊膜炎(chorioamnionitis:CAM)に起因する。CAMが誘発する胎児炎症反応が重症化すると高サイトカイン血症による多臓器障害が生じることから,FIRS(fetal inflammatory response syndrome)という疾患概念が提唱されている1,2)

 本症候群は臍帯血中IL-6(Um IL-6)をはじめとした炎症性サイトカインの上昇もしくは組織学的臍帯炎の存在によって診断され,新生児合併症のみならず脳性麻痺をはじめとした神経学的障害との関連が指摘されている。

 一方で,これを回避するための早期娩出は児の未熟性に起因した合併症を生じ得ることから,その有用性については議論がある。そこでFIRSの重症度が児の短期的・長期的予後に与える影響について評価し,至適分娩時期について検討を行った。

著者関連情報
© 2015 日本周産期・新生児医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top