抄録
診療ガイドラインは,EBMをもとにした最新の臨床報告をおのおのの専門家によって分析調査し,疾病·外傷の予防·診断·治療·予後などに関してわかりやすくまとめた診療指針である.整形外科分野の疾患·外傷に対する診療ガイドラインの中の装具療法に関連した部分を紹介した.整形外科分野の疾患·外傷の治療法の1つとして装具療法は古くから行われてきた.しかし,整形外科の主流が手術療法になってきており,装具療法は保存的治療の1つとして扱われる場合が多い.装具療法のエビデンスの高い臨床研究は少なく,整形外科分野の診療ガイドラインでの記載量も少ない.装具療法についてのエビデンスの高い臨床研究を増やしていくことは今後の課題であると思われた.