抄録
下肢救済やフットケアの分野においては,糖尿病や閉塞性動脈硬化症などの基礎疾患を持つ患者群を扱う.このような患者群の中でも足病変の発生予防,すでに発生した病変の治療,そして潰瘍が治癒した後や部分切断された後の再発予防など,義肢装具が必要な状況は様々であり,それぞれにおいて適応となる義肢装具も異なる.本稿では国内外の足病変の診療·予防に関するガイドラインとその内容を概説した.特に糖尿病性神経障害がある足や血行不全,切断の既往などがある足に対しては,どのガイドラインでも専門家による適切な靴のフィッティングや足底装具,靴型装具の必要性が訴えられており,今後のさらなる義肢装具士の介入が必要と思われる.