2016 年 32 巻 1 号 p. 35-40
現在の義肢デザインは,欠損した四肢の外観的補填を重視しており,モジュラー義足においても,健側を模倣したカバーを取り付ける仕様が一般的であるが,カバー装着は機能を制限するだけでなく「不気味の谷」問題も提起している.筆者らは近代デザインの目指してきた,人工物特有の美意識に基づいた機能的で美しい設計が,切断者の社会的ノーマリゼーションをもたらすと考え,2008年より7年間にわたり,スポーツ用義足を中心に開発を進めてきた.すでにメーカーと共同で実用化を実現し,切断者とそれを支える人たちの好評を得ている.現在は,より多くの人に対して機能的で美しい義足を提供すべく,AM (3Dプリンティング)による新しい義足開発に取り組んでいる.