2018 年 34 巻 1 号 p. 66-69
i-limb quantum(以下,i-limb)は11個の関節を持ち,5本の指が独立して動く高機能な筋電義手である.我々は,45歳男性と35歳女性の前腕切断症例がi-limbを経験する過程にリハビリテーション(作業療法)を通じて立ち会う機会を得た.i-limbは,様々なグリップの設定が可能なことに加え,母指を健側で他動的に動かすことができるため様々な形の物体を把持できる.また,手として自然な動きが可能であり,強く握り過ぎない機能も持つ.動作音が大きいことや,扱い方次第では破損のリスクがあることは短所だった.i-limbの持つ優れた機能を生かすためには,我々がその機能に精通するとともに,作業療法を通じて実際の動作につなげることが重要である.