2018 年 34 巻 4 号 p. 276-284
今日では,医療技術や診断技術の発展により腫瘍性病変(=がん·肉腫)の治療法は大きく変化し,がんを罹患しても治療をすることで生存期間が延長されている.しかし,患者はがんそのもの,あるいはがん治療に伴う副作用により身体的問題を抱えることがある.特に悪性骨軟部腫瘍などの下肢に好発する肉腫では歩行などのADL動作を著しく低下させるが,このようながん患者の身体的問題を解決するためにリハビリテーションや義肢·装具が必要不可欠となる.今回,下肢の悪性骨軟部腫瘍患者に対するリハビリテーションや義肢·装具の活用法について事例をもとに説明する.