2018 年 34 巻 4 号 p. 314-317
近年,高齢切断者は増加しており,脳血管疾患を併発する症例も少なくない.自立歩行を獲得できたとする報告は少なく,自立歩行獲得の難しさを表している.今回,脳血管疾患に伴い下肢動脈塞栓症を併発し,麻痺側の大腿切断に至った1例において,義足による歩行獲得を図った.その結果,自立歩行の獲得は困難であったが,階段昇降·狭路通行など義足装着によって可能となる動作の獲得に至った.義足装着は歩行獲得の目的だけではなく,日本の家屋環境において介助量軽減においても貢献できる.