2023 年 39 巻 4 号 p. 272-278
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis : ALS)は,上位および下位運動ニューロンを障害する進行性の変性疾患で,全身の筋力低下や筋萎縮を来す.発症から3~5年で呼吸筋麻痺のため人工呼吸器による生命維持が行わなければ致命的となる疾患である.年間発症率は10万人あたり1.1~2.5人であり,罹患者数は10万人あたり約7~11人といわれている.現在はリルゾールとエダラボンが保険収載されている治療薬ではあるが,効果は限定的で,根本的治療が無い神経難病である.そのため,嚥下障害および筋力低下による日常生活動作低下への看護やリハビリテーション,コミュニケーション手段の支援など,多職種が協力して介入しながら生活の質の維持に努めていくこと求められる.