日本義肢装具学会誌
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変形性膝関節症および慢性関節リウマチ膝の歩行時前額面モーメント
嶋田 誠一郎佐々木 伸一野瀬 恭代和田 真馬場 久敏
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2000 年 16 巻 4 号 p. 291-296

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抄録
膝関節内外反動揺性に対し膝装具を処方する際の目安とするため, 内側型OA56膝, RA48膝, 健常36膝に対し, 歩行分析による前額面モーメントの測定を実施した. その結果, 前額面絶対モーメント量は, OA膝では健常膝やRA膝に対し大きく, 病期の進行とともに増大しており, 他の歩行因子および体重, 静的アライメントとの関係を認めた. RA膝の前額面絶対モーメント量は, OA膝に対し軽度例で約54%, 重度例では約40%であり, 病期との関連もみられなかった. OA膝では相対的に内反モーメント量が大であることと病期の進行等を考慮し, 症例に応じた補助モーメント量を有する装具の選択が必要と考える. 対してRA膝では, 装具自体の補助モーメントの大きさよりも装着感や装着のしやすさを重視すべきと考える.
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