2001 年 17 巻 2 号 p. 106-111
冬期間の凍結路面上で安定した義足歩行を行うためには, 立脚期の膝小屈曲が可能で, 歩行速度に追随した振り出しが可能となることである. この条件を満たすために, 立脚期は油圧シリンダーで, 遊脚期は従来報告されているマイコン制御の空圧シリンダーで制御を行う歩行速度追従型の膝継ぎ手を試作した. 従来の bouncing 機構をもった膝継ぎ手と異なり, 主要な4節リンクの構成を変えずに, 動きを規制することにより立脚期の安定化を図り, しかも立脚相初期での bouncing を可能にした. 冬期間の路面に対応した膝継ぎ手の開発は, 環境に適合した歩行能力の改善だけではなく, 積雪・寒冷地域に住む下肢切断者の handicap を軽減することに貢献できる.