女性心身医学
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女子大学生における食行動異常 : 身体像不満足感測定尺度の開発および信頼性・妥当性の検討(第2報)
山蔦 圭輔野村 忍
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2005 年 10 巻 3 号 p. 163-171

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抄録
我が国において, 思春期・青年期女性の間で, 摂食障害や摂食障害に類似する食行動を行う者の数が増加している.こうした食行動異常を検討するために, 身体像不満足感を測定する必要性が指摘されている.身体像不満足感を測定する尺度は, 数多く開発されているが, 下半身や全身の不満足感を測定するものがほとんどである.加えて, 食行動の形態には, 他者からの身体に関する評価への意識が影響するとされる.したがって, 本研究では, 下半身や全身に加え, 身体パーツへの不満足感を自己評価および他者評価の側面より測定する尺度を開発することを目的とした.女子大学生823名を対象に調査を行い, 尺度の信頼性と妥当性の検討を行った.身体像不満足感を測定する50項目について因子分析を行った結果, 4因子・30項目が抽出された.Cronbachの信頼性係数は各因子とも十分な値であった.Eating Disorder Inventory (EDI)およびEating Attitudes Test 26 (EAT-26)合計得点により, 対象者を群分けし検討したところ, 第1因子〜第3因子の各因子で, 痩せ願望保有傾向および食行動異常傾向の弁別が可能であった.この結果より, 第4因子に含まれる項目を除いた, 44項目を再度因子分析した結果, 3因子・24項目が抽出され, 信頼性係数は各因子とも十分な値であった.したがって, 本尺度は, 十分な信頼性と妥当性を備えた, 身体像不満足感を測定する尺度であることが明らかとされた.
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© 2005 一般社団法人 日本女性心身医学会
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