女性心身医学
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不妊治療後妊産褥婦とパートナーの特別なニーズと周産期ケアに関する研究
我部山 キヨ子
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2010 年 14 巻 3 号 p. 268-276

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抄録

高度生殖補助医療施設で勤務する看護職者1,083名(助産師935名,看護師148名)を対象に,看護職者が考える不妊治療後妊産褥婦とそのパートナーの特別なニーズと周産期ケアのあり方を調べるために,郵送による質問紙調査を行い,以下の結果を得た.1.不妊治療後妊産褥婦とパートナーは特別なニーズを有すると答えた看護職者は,妊産褥婦に対しては73.4%,パートナーに対しては59.0%が答え,特別なケアを提供する必要があると答えた看護職者は,妊産褥婦に対して64.3%,パートナーに対して53.2%であった.2.ケアで重要な時期は,不妊治療後妊産褥婦とパートナーともに,妊娠期52.5%,48.9%(以下,妊産褥婦,パートナーの順)と最も多く,妊娠期では「初期」が37.6%,35.5%で多かった.次いで「産褥期」38.1%,35.5%が多く,妊娠初期と産褥期のケアの重要性が示唆された.3.不妊治療後妊産褥婦とパートナーに対する望ましいケアシステムは,「専門知識を持つスタッフがカウンセリングや教育・指導を行う」37.4%,「チーム医療を提供する」27.8%,「プライマリー看護を実施する」23.9%であった.4.施設内での不妊治療の勉強会の頻度(年)は「0回」39%.「1〜2回」40%で,勉強会の指導者は,「医師」47.7%,「不妊症看護認定看護師」22.3%が多く,勉強会の内容は,「不妊治療・技術」46%などで,全体的に医学的知識に関する内容が多く,不妊治療後妊産褥婦とパートナーのケアに関するものはなかった.

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© 2010 一般社団法人 日本女性心身医学会
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