女性心身医学
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青年期女子における完全主義認知とダイエット行動および摂食障害傾向との関連
矢澤 美香子金築 優根建 金男
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2010 年 15 巻 1 号 p. 154-161

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抄録
本研究は,青年女子における完全主義認知とダイエット行動および摂食障害傾向にみられる食行動異常との関連性を検討することを目的とする.Body Mass Indexが24以下の「痩せ」「普通」体型である女子大学生・大学院生183名に対して,1)自己志向的完全主義下位尺度,2)Multidimentional Perfectonism Cognitive Inventry(MPCI),3)ダイエット行動尺度,4)Eating Attitude Test-26,5)Eating Disorder Inventryの過食下位尺度を用いた質問紙調査を実施した.相関分析の結果,MPCIの下位尺度である高目標設置,完全性追求,ミスへのとらわれすべてにおいて,ダイエット行動,食行動異常との関連性が認められた.また,重回帰分析の結果,完全性追求は非構造的ダイエット行動に,ミスへのとらわれは食行動異常に影響を与えることがわかった.さらに,ダイエット行動尺度の得点についてクラスター分析を行ったところ,4つのクラスターが抽出され,高目標設置と完全性追求の得点は,ダイエット非実践群,平均的ダイエット実践群よりも構造的ダイエット実践群,構造・非構造的ダイエット実践群で高いことがわかった.以上の結果から,ダイエット行動のパターンや食行動異常の程度の違いを考慮して,異なる完全主義認知に対する介入を行うことが,摂食障害の予防に有益であると考えられる.
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© 2010 一般社団法人 日本女性心身医学会
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