抄録
本研究では女子学生の月経随伴症状軽減に向けたセルフケア獲得への示唆を得るために,月経随伴症状と月経のサポート機能,及びセルフケアとの関連を明確化することを目的とした.女子学生を対象に,日本語版Menstrual Distress Questionnaire(MDQ)を変更した変更版MDQ(modified MDQ:以下MMDQと称する)による月経随伴症状,及び月経サポート機能,セルフケアに関する質問紙調査を行い,有効回答187名を分析対象とした.月経サポート機能に関しては探索的因子分析,信頼性係数及び検証的因子分析の結果,4因子10項目が抽出され,全体の内的整合性が確認され,モデルの適合度も高く,構成概念妥当性が確認された.セルフケアの有無をMMDQ得点で比較すると,「鎮痛剤の服用」をしている女子学生のMMDQ得点がしていない女子学生よりも有意に得点が高かった.また,セルフケアの有無と月経サポート機能の比較では,6項目においてセルフケアを実施している女子学生のサポート機能得点が有意に高く,「我慢する」女子学生は有意に低かった.これらから,月経に対するサポートが得られるような月経教育体制の充実が示唆された.