女性心身医学
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遅発発症神経性食欲不振症の特徴について : 早期発症,ピーク発症との比較
端詰 勝敬天野 雄一小田原 幸牧野 真理子久松 由華坪井 康次
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2014 年 18 巻 3 号 p. 422-429

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抄録
神経性食欲不振症は慢性的に経過しやすい.多くの研究が予後の悪さと遅発発症との関係を指摘している.本研究の目的は比較的高齢で発症した神経性食欲不振症の臨床的な特徴と身体的または精神的な随伴疾患を明らかにすることである.対象は東邦大学心療内科外来に受診した神経性食欲不振症130名である.診療録の情報により,年齢,発症年齢,発症から初診までの期間,病型,初診時のbody mass index(BMI),最大BMI-最低BMI,初診時のうつ状態,身体疾患および精神疾患の随伴率を調べた.これらの要因を早期発症群(15歳未満発症),ピーク発症群(15歳以上24歳以下発症群),遅発群(25歳以上発症)の3つの群で比較した.遅発群では,3つの群の中で初診時のBMIが最も低く,ピーク発症群との間で有意差を認めた.さらに遅発群では,ピーク発症群よりも身体疾患および精神疾患の随伴率が有意に高かった.これらの結果より,遅発の神経性食欲不振症においてBMIと随伴疾患は重要な要素であることが示唆された.
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© 2014 一般社団法人 日本女性心身医学会
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