女性心身医学
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東日本大震災時に周産期であった女性の1年4カ月後の心身の健康 : 夫婦の関係性についての満足度から
佐藤 喜根子菊池 笑加佐藤 祥子小山田 信子
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2014 年 19 巻 2 号 p. 197-203

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抄録
研究の対象者は,東日本大震災時に宮城県内で早期の褥婦と妊娠中であった周産期女性とその夫である.(対象者は,すべてが婚姻関係にあった).今回,震災から1年4カ月後に前述の対象者にGHQ28(The General Health Questionnaire 28)を使用し,母親(回答者277名)と母親に大きな影響を及ぼすと思われる夫(回答者249名)に対して,同様の尺度を用いてそれぞれの心身の状態について調べた.同時に夫婦の関係性の満足度(妻が夫を,夫が妻に対して満足しているかどうか)を調べ,心身の健康状態と関連があるかどうか検討した.その結果,GHQ28の合計得点6点以上は,母親が65.3%,父親が46.2%であった.6点以上とは,"何らかの問題がある(神経症者)"とされており,今回は母親・父親ともに一般の成人(平均14.0%)と比較して高い割合を示していた.また平均得点は,母親が8.5±5.5点,父親が6.6±5.4点であった.夫婦の関係性については,「満足」と回答していたのは,母親(74.2%)よりも父親(85.0%)のほうが高かった.
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© 2014 一般社団法人 日本女性心身医学会
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