【背景】小児がん患者が終末期をどこで過ごすかは本人や家族のQOLに関わるが、拠点病院から在宅や地域への移行過程は明らかでない。
【目的】小児がん拠点病院で治療を受けた患者のうち、院外で終末期を迎えた患者の終末期ケアの移行先と移行過程の調整の実態を検討する。
【方法】2007〜2020年に当院で治療後、在宅または地域の医療機関で終末期ケアを受けた死亡時年齢30歳以下の24例の診療録を後方視的に調査した。
【結果】在宅へ移行した7例は全例固形腫瘍(脳腫瘍6例)で、全例に訪問診療、4例に地域との対面カンファレンスが行われ、「自宅に帰りたい」という希望とともに急変時への不安も表出されていた。一方、地域の医療機関へ移行した17例では、在宅療養の希望が12例にみられたが、当院での手配やカンファレンスは2例で、死亡場所は確認できなかった。
【結論】終末期ケアへの移行にあたっては、「自宅に帰りたい」という希望は必ずしも在宅看取りの希望と同義ではなく、移行後のケアの連続性の確保も課題である。