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光非依存型プロトクロロフィリド(Pchlide)還元酵素(DPOR)は、暗所でのクロロフィル合成を決定づける重要な反応を触媒する。先の研究で、紅色非硫黄細菌 Rhodobacter capsulatusを活用したDPORの各コンポーネント(BchLとBchNB)の精製と再構成系を報告した。今回、より多量のDPORコンポーネントの発現と精製を目指して、広宿主域ベクターpJRD215を利用した発現系の構築を行うとともに、これらを活用した各コンポーネントの活性を評価する系を確立した。pJRD215にpuc promoter断片を導入し、その下流にS-tagを付加したbchLを挿入したpYCL10と、同様にS-tag-bchNとbchBを一連のオペロンとして挿入したpYCNB111を構築し、puc promoterの発現が野生株より数倍高い変異株DB18に導入した。これらの形質転換株の粗抽出液を用いることにより、各コンポーネントの活性を安定に評価することが可能となった。また、pYCNB111を有する形質転換体は、バクテリオクロロフィル含量が低下しPchlideの蓄積が認められた。この細胞から精製したBchNBは緑色を呈しており、吸収スペクトルからPchlideを結合していることが判った。この性質は、DPOR複合体においてBchNBが基質結合・触媒部位を供していることを示唆している。