抄録
UDP-D-グルクロン酸4-エピメラーゼはUDP-D-グルクロン酸からUDP-D-ガラクツロン酸を合成する酵素である。生成物UDP-D-ガラクツロン酸はペクチン質多糖生合成におけるガラクツロン酸供与体として機能する。本酵素はこれまでにエンドウ、ダイコンで部分精製され膜結合型であることが知られている。Streptococcus pneumoniaeで同定された本酵素遺伝子の推定アミノ酸配列を用いてBLAST検索した結果、シロイヌナズナには少なくとも6つのアイソザイムが存在し、それらは全て膜結合型酵素と予測された。そのうちの1つ At4g30440のcDNAをライブラリから単離し、細胞質ドメインに相当する領域を大腸菌で発現させた。組換蛋白質はUDP-D-グルクロン酸4-エピメラーゼ活性を示した。現在、組換蛋白質を抗原として作成した抗体を用い、免疫組織化学的手法により細胞内局在部位を検討中である。