日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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アラビドプシスSPIRAL2遺伝子は植物特有の微小管付随タンパク質をコードする。
*庄司 翼成田 典之林 和典園部 誠司橋本 隆
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p. 335

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抄録
 分裂により新たに生じた植物細胞は体軸方向に急速に伸長する。植物細胞の伸長方向は細胞壁の主成分であるセルロース繊維が伸長方向と直角に沈着し、いわゆる「たが」として働くことで規定される。また、セルロース繊維は細胞質表層部に存在する表層微小管と平行して沈着することから、表層微小管がセルロース繊維の配向を通じて細胞伸長の方向性を決めているとされている。
 アラビドプシス変異体spiral2(spr2)は、根、茎、葉柄などが右巻き方向にねじれる細胞伸長変異体である。原因遺伝子SPR2はマップポジションを基にクローニングされ、タンパク質間相互作用に機能すると推定されるHEAT repeatを有する新規タンパク質をコードすることが分かった。SPR2のC末端にGFPを融合させたSPR2-GFPタンパク質は細胞質表層部に存在する表層微小管に局在した。又、SPR2組換えタンパク質はタバコBY-2培養細胞由来チューブリンから調製した微小管とin vitroで直接結合した。SPR2は表層微小管の配向化に機能する植物特有の微小管付随タンパク質であることが示唆された。
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© 2003 日本植物生理学会
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