日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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光周性花成誘導に関連する時計制御遺伝子AtC401のプロモーター解析
*小口 太一小野 公代鎌田 博小野 道之
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p. 34

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抄録
PnC401遺伝子は、短日植物アサガオ(Pharbitis nil cv. Violet)において花成誘導暗期中に特異的に発現する遺伝子として単離された。PnC401遺伝子および長日植物シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)におけるホモログAtC401遺伝子のmRNAは、暗期増加型のサーカディアンリズム振動を示す。我々はC401遺伝子のサーカディアンリズム発現制御機構を明らかにするため、AtC401遺伝子プロモーター断片をホタルルシフェラーゼ遺伝子(luc+)に連結した融合遺伝子を導入したシロイヌナズナ形質転換体を用いたレポーター解析を行っている。これまでに5’プロモーターデリーションによって転写開始点を含む146 bpの5’上流ゲノムDNA断片がAtC401のサーカディアンリズム発現に十分であることを報告した。今回、プライマー伸長法によりAtC401の転写開始点を決定し、この断片には転写開始点より73 bp下流の配列を含むことが分かった。また、転写開始点よって下流の配列を除いたプロモーター断片(-174/+2)ではレポーター発光が見られず、同じ断片にCaMV35S最小プロモーター断片(47 bp)を連結した断片でも、レポーター発光の周期性は回復しなかった。これらの結果から、5’非翻訳領域の配列がAtC401のリズム発現制御に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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© 2003 日本植物生理学会
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