日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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好気性光合成細菌Roseobacter denitrificansの銅を持ちシトクロムc酸化酵素活性を持つNO還元酵素ホモログ
松田 優治江口 茜射場 厚*荒田 博行
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p. 364

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抄録
好気性光合成細菌Roseobacter denitrificansは銅を持ちシトクロムc酸化酵素活性を持つNO還元酵素ホモログを持っている。この酵素の2つの構成サブユニットはNO還元酵素のサブユニットNorC、NorBと相同である。これらのサブユニットをコードする遺伝子norCnorBの下流にはnorQnorDと相同な遺伝子が続いていて、このことはParacoccus denitrificansRhodobacter sphaeroidesnor遺伝子群と共通している。ただし、NO還元酵素がNorBサブユニットに非ヘム金属として鉄を持つのに対し、R. denitrificansのNO還元酵素ホモログは銅を含んでいる。また、精製した酵素はシトクロムc酸化酵素活性を示すがNO還元酵素の活性はほとんど示さない。R. denitrificanscbb3型やaa3型のシトクロムc酸化酵素も持っているが、KCNによる阻害のパターンは精製したNO還元酵素ホモログと膜標品で大きく異なり、この細菌のシトクロムc酸化酵素活性へのNO還元酵素ホモログの寄与は小さいと考えられる。ノーザン法による解析の結果は、この酵素の遺伝子の発現が光、あるいは嫌気条件で促進されることを示した。また、膜標品のSDS-PAGEのヘム染色の結果も、この酵素の量が光や嫌気条件で増加することを示した。
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© 2003 日本植物生理学会
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