日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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窒素固定ラン色細菌におけるヒドロゲナーゼの分布とNostoc PCC7422株ヒドロゲナーゼ遺伝子の配列決定
*吉野 史記増川 一櫻井 英博
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p. 366

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抄録
ヒドロゲナーゼはラン色細菌の水素代謝に関与する酵素で、取り込み型ヒドロゲナーゼHupと双方向型ヒドロゲナーゼHoxの2種類がある。内外の株保存センターより得た15種の窒素固定ラン色細菌について、ヒドロゲナーゼの分布を活性及び遺伝子の両面から調べた。12種はhuphoxの両方を持っていたが、3種はhupを持つがhoxは持たなかった。
hox遺伝子は、hoxE,F,U,Y,Hのクラスターを構成しており、すでに5種のラン色細菌において同定されている。このうち、ヘテロシスト型窒素固定ラン色細菌において完全なhox遺伝子群が決定されているものはAnabaena PCC7120だけである。そこで、本研究では、huphoxの両方の遺伝子を持つ12種の中でHox活性が非常に低いNostoc PCC7422に注目し、そのhox遺伝子群の配列を決定した。Nostoc PCC7422のhox遺伝子群は、hoxEFUY-ORF-hoxHの順に1個のORFを含んで配置されていた。hoxEの存在は、窒素固定ラン色細菌の中ではAnabaena PCC7120に次ぐものである。hox遺伝子群の間のORFは種によって数および位置に差がみられた。さらに、Nostoc PCC7422において、hupの構造遺伝子であるhupSLを決定した。遺伝子配置は既知3株のものと一致し、配列も高い相同性を示した。
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© 2003 日本植物生理学会
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