日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ニンジンにおけるアントシアニン合成時に誘導されるPAL遺伝子の発現制御に関与する転写調節因子のスクリーニングおよびその機能解析
*木村 惣一近川 幸恵加藤 雅之前田 和寛小関 良宏
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p. 379

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抄録
アントシアニンは紅葉や花色に関わる赤色色素として植物界に広く分布している。アントシアニン合成は分化特異的及びストレス特異的に発現することから、これを調節する転写調節因子の単離、解析も行われつつある。アントシアニン合成系路の初発のkey enzymeであり、代謝的分化時に特異的に誘導されるニンジンPAL 遺伝子(gDcPAL3)は、そのプロモーター上流域(-252bp~-194bp)の欠失により、プロモーターの活性が低下することが見出され、この領域に発現制御に係わるcis-elementが存在することが示唆されていた。また、この領域中にはAP2/ERFドメインを有する転写因子であるERFファミリーが特異的に結合するcis-elementとして報告されているGCC boxに似た配列が存在することが確認された。そこで、gDcPAL3のプロモーター中に存在するGCC配列 とその周辺の配列に着目し、酵母 one-hybrid 系を用いて2,4-D存在下でもアントシアニン合成を行うニンジン変異培養細胞と、2,4-Dを含まない培地でアントシアニン合成を誘導したニンジン培養細胞から作成したcDNAライブラリーから、GCC配列と相互作用するAP2/ERFドメインを有する転写因子、DcERF1DcERF2を単離した。さらに、その機能について解析したので報告する。
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© 2003 日本植物生理学会
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