日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ニンジンにおけるストレス誘導性PAL遺伝子の発現制御に関与する転写調節因子のスクリーニングおよびその機能解析
*前田 和寛木村 惣一近川 幸恵竹田 淳子植野 洋志小関 良宏
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p. 378

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抄録
Phenylalanine ammonia-lyase (PAL)は一次代謝系から二次代謝系へと導入する初発の酵素であり、これ以降の複雑な広がりをなす二次代謝系の流れを左右する律速酵素として重要であることから、その発現機構について注目されている遺伝子である。先の研究により、ニンジン培養細胞系においてニンジンPAL遺伝子(gDcPAL1)の発現は希釈効果、エリシター、UV-Bなどにより誘導されることが明らかにされている。またgDcPAL1のプロモーター領域にはフェニルプロパノイドおよびフラボノイド(アントシアニン)合成系酵素群のプロモーター上流に広く存在するL-boxと類似する配列(L1~L5-box)が存在し、中でもL1-box、L5-boxがgDcPAL1の発現制御に大きく関与していることが明らかにされた。そこで、本研究においてはgDcPAL1の発現制御に関与するL1-box、L5-boxに結合する転写調節因子の単離とその機能解析を目的とした。Yeast one-hybrid法によりL1-box、L5-boxに結合する転写調節因子を単離したところ、これらの配列に結合する転写調節因子は同一のMYBタンパク質をコードしていた。このMYBタンパク質について、その結合認識配列の特異性、転写活性化能等について解析を行ったのでその結果について報告する。
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© 2003 日本植物生理学会
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