日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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収穫後のブロッコリーにおけるアスコルビン酸代謝
*西川 芙美恵加藤 雅也兵藤 宏生駒 吉識杉浦 実矢野 昌充
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p. 444

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抄録
 ブロッコリー小花のアスコルビン酸含量は収穫後急速に減少する。本研究では、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)、アスコルビン酸酸化酵素(ASO)、ガラクトノラクトン脱水素酵素(GLDH)、アスコルビン酸フリーラジカル還元酵素(AFRR)、酸化型アスコルビン酸還元酵素(DHAR)、酸化型グルタチオン還元酵素(GSHR)の酵素活性及び遺伝子発現について、収穫あるいは植物ホルモン処理による影響を調査した。ブロッコリー小花では収穫後12時間以内に葉緑体型のAPX(BO-sAPX及びBO-tbAPX)の遺伝子発現が強く抑制された。さらに、アスコルビン酸再生に関わる葉緑体型遺伝子(BO-AFRR 1及びBO-DHAR)の発現量も急速に減少した。その結果、収穫後のブロッコリー小花の葉緑体で活性酸素種の蓄積とアスコルビン酸の分解が促進されることが推測された。ジャスモン酸メチルあるいはアブシジン酸の処理によってアスコルビン酸含量の減少は促進され、同時にGLDHとアスコルビン酸代謝に関わる葉緑体型の遺伝子発現の抑制が観察された。
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© 2003 日本植物生理学会
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