日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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シロイヌナズナにおける2本鎖RNA結合蛋白質の解析
*近藤 直子平栗 章弘伊藤 陸相澤 大輔Hisashi Koiwa関 原明篠崎 一雄福原 敏行
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p. 453

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抄録
RNAのプロセシングに関与するRNaseIIIや、ウイルス感染防御にはたらくPKR (dsRNA-activated protein kinase)など、2本鎖RNAに特異的に結合するタンパク質が様々な生物で発見されている。最近では、ショウジョウバエにおいて、2本鎖RNA結合モチーフ(dsRBM)およびRNaseIIIモチーフを含むDICERが、2本鎖RNAによって引き起こされるジーンサイレンシングに関与することが報告されている。我々は、dsRBMに特徴的な配列をもとにデータベースを検索し、シロイヌナズナで7つ(HYL1, ADB2, ADB3, ADB4, CAF, RTL1, CPL1)のdsRBM様配列を含む遺伝子を見出した。その中でもCAF、RTL1はRNaseIIIモチーフとdsRBMを含んでいることから、ジーンサイレンシングへの関与が期待される。これらの遺伝子産物の機能を明らかにするため、ノースウエスタン法およびファーウエスタン法を用いて、2本鎖RNA特異的結合活性およびタンパク質間相互作用の解析を行った。これらのタンパク質はいずれもdsRBMを2つ含むにもかかわらず2本鎖RNAに対する結合活性に大きな差があること、これらのタンパク質がdsRBMを介し相互作用すること等が明らかとなった。
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© 2003 日本植物生理学会
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