日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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ラン藻Anabaena sp. PCC 7120株のRNA結合タンパク質の部位特異的変異による解析
*濱野 敬史村上 昌吾得平 茂樹佐藤 直樹
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p. 457

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抄録
ラン藻Anabaena sp. PCC 7120株には低温で誘導されるRNA recognition motif (RRM) を持つRNA結合タンパク質ファミリーがある。C末端にグリシンリッチ領域を持つRbpA1タンパク質,持たないRbpDタンパク質,および長いC末端領域を持つRbpGタンパク質について,RNAホモポリマーとの親和性をin vitroで調べた結果,RbpA1とRbpDはpoly(U) > poly(G) > poly(A) > poly(C)の順,RbpGタンパク質はpoly(C) > poly(U) > poly(A) > poly(G)の順に強く結合した。RRMを持つ84アミノ酸残基のタンパク質RbpA1RRM84は,Arg83をGluに置換するとpoly(G)との親和性が下がる事が分かっていたが,本研究で全長RbpA1においてArg83をGluまたはAlaに点変異させてもpoly(G)との親和性は下がらなかった。Arg83に対応するRbpDのArg85を置換しても同じであった。RbpA1をRbpA1RRM84と比べたところ,poly(A),poly(C),poly(G)に対する結合の順は似ていたが,親和性が上がっており,RbpA1タンパク質のC末端領域がこれらの親和性を高める事が示唆された。
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© 2003 日本植物生理学会
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