日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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シロザ Chenopodium album L. の陽葉・陰葉の発生過程
*矢野 覚士寺島 一郎
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p. 502

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抄録
 陸上植物は環境に応じて様々な反応を示す。様々な反応のうちの一つに陽葉・陰葉の分化があげられる。陽葉は明るいところ、陰葉は暗いところで形成される葉であり、両者を比較した研究は数多くなされてきた。その結果、陽葉は光合成に関わるタンパク量が陰葉よりも多く、また葉や柵状組織の厚さが陰葉よりも厚くなっている等の事実が明らかになっている。
 我々はすでに、新しくできる葉の形態は成熟した葉の光環境に依存して決定されていることを報告した(Yano & Terashima (2000), 1pD16)。しかし意外なことに、発生過程は詳細には記載されていない。そこで今回は、陽葉と陰葉の発生過程を詳細に解析した結果を報告する。
 材料には一年生草本植物のシロザ Chenopodium album L. の、発芽直後から強光または弱光下で(360 or 60 μmol quanta m-2 s-1 PPFD)栽培した植物を用いた。また、葉身の長さが安定する第10葉以降のものを解析の対象とした。GA-Osの二重固定後、Spurr樹脂に包埋、厚さ1 μm の横断ならびに並皮切片を作成し、切片画像から各種の測定を行った。
 データの評価には相対的な葉齢の指標となるLPI(Leaf Plastochron Index)を用いて比較した。
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© 2003 日本植物生理学会
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