日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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シアノバクテリアにおける新規フラビンタンパク質の機能構造解析
*岡島 公司吉原 静恵耿 暁星片山 光徳池内 昌彦
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p. 552

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抄録
 光合成を行うシアノバクテリアにおいては、光やレドックスの感知機構は重要である。ミドリムシや紅色細菌では最近、新規青色光受容体としてFADを結合するBLUFドメインがみつかっている。我々はシアノバクテリアのゲノム解析よりこのドメインをもつ機能未知の遺伝子を見出した。Synechocystis sp. PCC 6803において、その遺伝子slr1694を破壊すると、正の走光性が失われることを見出した。好熱性シアノバクテリアThermosynechococcus elongatus BP-1におけるこのタンパク質のホモログTll0078の構造、機能を解析した。Tll0078タンパク質をHisタグの有無でそれぞれ大腸菌で発現させ、精製した。精製したタンパク質は酸化型のフラビンタンパク質特有の吸収スペクトルを示した。このフラビンはFADであり、非共有結合でタンパク質と結合していた。X線構造解析のための結晶化の条件検討を行ったところ、Hisタグの付いたものは凝集体を形成しやすかった。一方、タグのないものは分子量約160万のホモ10~12量体を形成していた。
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© 2003 日本植物生理学会
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