日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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インゲンマメ発芽種子におけるプロテアーゼ遺伝子発現の植物ホルモンによる制御機構
*山内 大輔Vitalyi Senyuk森 仁志
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p. 641

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抄録
マメ科種子の子葉中に蓄積された貯蔵タンパク質は、吸水後に発現するプロテアーゼによって分解され、胚軸の成長に利用される。これまでに、イネやオオムギなどの単子葉類種子のアリューロン層におけるプロテアーゼの発現がジベレリン (GA) で活性化され、その活性化がアブシジン酸 (ABA) によって抑制されることがよく知られている。そこで、インゲンマメ種子発芽時における子葉でのプロテアーゼ遺伝子発現に GA 及び ABAが関与しているのかどうかを調べた。子葉中で発現することが明らかになっている7種類のシステインプロテアーゼ (EP-C1, CP1, CP2, CP3, CP4, LLP1, LLP2) の種子発芽過程における遺伝子発現をRNAブロット法により解析した。その結果、CP4を除く前述の遺伝子の発現は、吸水後に誘導された。また、これらの遺伝子発現はGAの生合成阻害剤であるプロヘキサジオン及びABAによりすべて抑制された。したがって、種子発芽時に子葉中で誘導されるプロテアーゼの遺伝子発現には、ABAとGAが中心的な役割を担っていると考えられた。また、発芽に関与することが知られているエチレンの影響についても調べたので、併せて報告する。
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© 2003 日本植物生理学会
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