日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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アンチセンスSPK形質転換体における遺伝子発現変化の網羅的解析
西田 克利小泉 一愉三ツ橋 知沙小林 雅彦矢崎 潤史石川 雅弘藤井 文子真保 佳納子島谷 善平長田 夕子橋本 晶子太田 智弥佐藤 友紀本多 幸子山本 公子坂田 克己佐々木 卓治岸本 直己菊池 尚志*島田 浩章
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p. 640

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抄録
SPKはデンプン生合成の初期の反応を触媒するsucrose synthaseをリン酸化することで、活性を制御することがわかっている。アンチセンスSPK形質転換体では、未熟種子での貯蔵デンプン生合成が阻害されショ糖が蓄積する。このことから、SPKの欠損が、胚形成、胚乳形成に異常を引き起こしているものと考えられる。このような形質異常を生じさせる原因遺伝子を明らかにするために、3系統のアンチセンスSPK形質転換体および野生型イネ(日本晴)それぞれの登熟初期の未熟種子より抽出した全RNAを用いて、マイクロアレイ解析を行った。この結果、3つのアンチセンス形質転換体すべてで、野生型に対して1/2以下あるいは2倍以上の発現量の変化を示した遺伝子は125種であった。これらのすべての遺伝子に関して、機能別に6個のグループに分類した。さらに、これらの6グループのそれぞれに属する遺伝子について、野生型イネの各ステージ(穂ばらみ期、登熟初期、開花後10日目)の発現量を調べ、アンチセンスSPK形質転換体の発現量との比較によるクラスタリングを行った。
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© 2003 日本植物生理学会
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