抄録
光化学系II膜のルーメン側にあるMnクラスターは、水分解・酸素発生反応を触媒し、緑藻や高等植物ではOEC33、24、18と呼ばれる3種の膜表在性タンパク質によって囲まれている。OEC33はMnクラスターの構造維持に関与し、OEC24、18は酸素発生に必要なCa2+、Cl-の濃度調整に関与している。これら膜表在性タンパク質ついては長年機能解析されてきたが、まだ不明な点が多い。その機能を解明するためにはこれらタンパク質の立体構造を知ることが必要不可欠である。そのため、X線構造解析に用いる良質な結晶の作製が必要である。そこで本研究では、これら3種類のタンパク質のうち、まだ結晶化された報告がないOEC18についてホウレンソウから精製した。この精製したタンパク質を用いて結晶化を行った結果、長さ100μm程度の結晶を得ることが出来た。しかしこの結晶は厚みが薄く、各種結晶化条件を変更しても結晶の質はあまり改善されなかった。そこで次に種の違うトウモロコシのOEC18を大腸菌に大量発現精製した。 得られたサンプルを用いて結晶化を試み、いくつかの条件下で微結晶を得た。今後は更に結晶化条件の最適化を行い、X線構造解析に適した結晶を作り、構造を解析する予定である。さらにホウレンソウから精製したOEC33についても結晶化を行ったのでその結果をあわせて報告する。