日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

アクティベーションタギングラインから単離した新奇GH3変異体dwl1-Dの解析
*高瀬 智敬中澤 美紀市川 尚斉川島 美香石川 明苗鈴木 久美子眞鍋 勝司松井 南
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 73

詳細
抄録
GH3はオーキシンによって急速に誘導される遺伝子として、ダイズより単離された遺伝子である。シロイヌナズナのゲノムには20のGH3ホモログが存在しており、その中のいくつかはオーキシンや光によって制御されていることが確認されている。最近になって、いくつかのシロイヌナズナのGH3タンパク質は植物ホルモンのアデニル化活性を示すことが報告されている。このことからシロイヌナズナのGH3遺伝子ファミリーのうちいくつかについてはホルモンの活性を調節することで、ホルモンによって引き起こされる応答制御を行っていると考えられている。
 今回、われわれはアクティベーションタギングラインから単離した新奇GH3遺伝子ファミリーメンバーの一つの優性変異体について報告する。dwl1-D(dwaf in light 1-like 1-D)と名付けたこの変異体は矮性の表現型を示し頂芽優性が乱れていた。また、その実生は光条件に関係なく短胚軸になり、地下部においては側根の数が減少する。この遺伝子の過剰発現体は、アクティベーションタギングラインで確認された表現型を再現した。DWL1の発現を調べたところ、この遺伝子はオーキシンによる誘導が観察され、その誘導はmsg1では抑えられていた。これらの結果から、DWL1はさまざまな発達段階に応じてオーキシンによって制御されている応答に関わっていることが示された。
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top