抄録
ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)は、ホスホエノールピルビン酸(PEP)に炭酸固定してオギザロ酢酸と無機リン酸を生成する反応を不可逆的に触媒する。大腸菌及びトウモロコシ由来のPEPCの立体構造をX線結晶構造解析により決定した。部位特異的変異の研究結果を合わせ検討した結果、触媒部位はベータバレルのC末端側に、また阻害因子結合部位もその近傍に特定することが出来た。さらに、活性化因子(グルコース 6-リン酸)が結合すると思われる部位も見出すことが出来た。PEPCの阻害因子複合体、活性中心金属イオン複合体、PEP類似体複合体、および硫酸イオン複合体の構造を比較することにより、柔軟な構造を持ついくつかのループが酵素活性や制御機能に果たす役割が明らかとなりアロステリック制御の分子機構が解明された。