日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
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生物時計:分子生物学から構造生物学
*石浦 正寛
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p. S83

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抄録
常温性藍色細菌Synechococcus sp. PCC 7942株における生物時計の分子遺伝学的な研究により(現名古屋大学大学院生命理学研究科近藤孝男氏との共同研究)、藍色細菌の生物時計の中核遺伝子である時計遺伝子クラスターkaiABC(時計の発振に不可欠)と時計関連遺伝子pexsasA(発振に影響するが不可欠ではない)とを同定している。時計の本質は、時計タンパク質による時計遺伝子そのもののサーカディアン発現(ほぼ24時間周期の発現)の正と負との多重フィードバック自己制御であることを明らかにしており、KaiAはkaiBCの発現を促進し、KaiCは抑制することが分かっている。
我々は生物時計を時計という分子装置として捉え、その分子機構の原子レベルでの解明を目指している。そこで先ずタンパク質の構造と機能との研究に適した耐熱性タンパク質が利用できる好熱性藍色細菌において、新しい生物時計の実験系を開発した。好熱性藍色細菌Thermosynechococcus elongatus BP-1株から時計遺伝子や時計関連遺伝子をクローニングし、大腸菌で大量発現系を構築し、純度の高いタンパク質の大量調製法を確立し、これらタンパク質及びその複合体の生化学的解析と構造学的解析とを進めてきた。これまでの研究の経過を踏まえて、新しい研究の進行状況や今後の展望について報告したい。
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© 2003 日本植物生理学会
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