日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
日本植物生理学会2003年度年会および第43回シンポジウム講演要旨集
会議情報

結晶構造に基づく光化学系II複合体の分子機構
*沈 建仁神谷 信夫
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. S88

詳細
抄録
光化学系IIは14種の膜蛋白質と3種の膜表在性蛋白質を含む分子量320 kDaの超分子複合体である。この複合体における電子伝達と酸素発生の機構を完全に理解するには、その立体構造の情報が必要不可欠である。我々は、好熱性らん藻Thermosynechococcus vulcanus由来の光化学系IIを結晶化し(1)、その構造を放射光のX線を用いて3.7A分解能で解析した(2)。得られた構造では、系IIの大きなサブユニットの大部分の領域が決定され、そのうち、未同定であった表在性の12 kDaサブユニットの帰属が決定された。これらの結果から、系IIの主なサブユニット間の相互作用についての新しい情報を得た。また、反応中心に近い領域でカロチノイドが2分子見つかり、クロロフィル等の補欠因子の配置についても新しい知見を得た。Mnクラスターの環境や配位子構造等についてもこれまでより詳細な情報を得た。本講演では、我々が得た構造を中心に、系IIにおける反応の分子機構や新しい課題について議論する。
(1) Shen J.-R. and Kamiya N. (2000) Biochemistry 39, 14739-14744.
(2) Kamiya N. and Shen J.-R. (2002) Proc. Natl. Acad. Sci. USA. In press.
著者関連情報
© 2003 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top