日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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低リン酸耐性ニンジン培養細胞におけるplasma membrane H+-ATPaseの貢献
*大野 隆史小山 博之原 徹夫
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p. 005

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抄録

 リン酸Alを唯一のリン酸給源として選抜されたニンジン培養細胞(LPT細胞)は、クエン酸を多量に放出することによりリン酸を獲得し、生育することができる。これまでに、この機構に関わる因子として分子生物学的にクエン酸合成酵素、NADP特異的イソクエン酸脱水素酵素を、生理学的にアニオンチャネル、PM H+-ATPaseを付きとめている。本研究では、PM H+-ATPaseに焦点を起き分子生物学的な解析を行った。
 クエン酸放出時には、PM H+-ATPaseを介してH+が放出されており、LPT細胞でその活性が高いことがわかっている。そこでde-generate PCRによりcDNAを単離し、6種類のisoformの存在を確認した。転写量解析の結果、DcPA1;1Daucas carota proton ATPase)がLPT細胞で3倍転写量が高く、高活性に最も貢献していると考えられた。更にこのDcPA1;1をanti-senseによりLPT細胞で抑制したところ、活性の減少とクエン酸放出の減少に高い相関が認められ、PM H+-ATPaseの必須性がうかがえた。

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© 2004 日本植物生理学会
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